第38話

日の丸の感激

 

昭和48年、娘と一緒に孫の留学先のハンブルグを訪れたついでに、ヨーロッパ旅行をいたしました。エルベ河畔のレストランに入ったときのことです。レストランがわたしたちのために、日の丸の小旗を食卓に飾って歓迎してくれ感動しました。サービスとは何か、そんなことを教わったような気がしました。
またアメリカのハドソン河を遊覧したときも感動しました。停泊していた日本郵船の日の丸が見えましたら、日本の歌を流してくれるのです。
海外ではどこへ行っても国旗がひるがえっています。
今の日本では「スポーツ大会」のために、日の丸があるようなもので、国家への愛情、日の丸への愛情が薄いように思われてなりません。明治生まれのわたしにとっては、とても淋しいことです。
外国へ行って思いがけず「日の丸」にせっしたときの嬉しさ、やはりわたしは日本の女であることの幸せを感じました。

 

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