第16話
新聞記者も遊びに来る
新聞記者もよく遊びに来てくれました。
戦前に秋田で「パーマ」をやっていたのは、わたし一人だったからかも知れません。
あるいは仕事の内容が当時、非常にあたらしかったからではないでしょうか。
「中村のところへ行けば、何か新しいものがあるだろう」
とやってきては、記事を書いてくれるのです。よい宣伝になりました。
わたしが若いころ新聞社にいたという気安さもあってか、うちの茶の間は、新聞記者のたまり場みたいになっていました。
宴会帰りなど
「先生、ママ食わせてけれ」
と上がり込んでお茶漬けなど食べていくのです。
気安さというものはありがたいものです。
当時わたしは一ケ月に一度くらい東京に研修に行っていました。それを取材して
「銀座の髪を秋田で」
などというキャッチフレーズで書いてくれたり、美容というとよくても悪くても、うちなのです。
お正月やお盆の忙しいときでも、うちの写真を掲載してくれるのです。
それは大変な宣伝になりました。
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