(公財)秋田県生活衛生営業指導センター
専務理事 須田 宏司(獣医師)
世界的な広がりの見られる新型コロナウイルス感染症は、業界にも大きな影響をもたらしています。今回、本ウイルスの適切な対応法についてお話しする機会を与えていただきありがとうございます。
業務の参考になれば幸いです。
〇手洗いについて
薬用石鹸でのこまめな手洗いが重要です。特に指の先、指の間、親指です(親指は物を握るときによく使う指だからだそうです)。
手洗いでウイルスが死滅するわけではありませんが、手に付いたウイルスを少しでも感染量以下に洗い流す作用があります。
〇マスクの着用について
本ウイルスの感染原因は主として飛沫感染と言われています。飛沫感染とは、1〜2mの範囲で、飛沫が口や鼻の粘膜に付着することによる感染です。
マスクには、自分からの飛沫を防ぎ、お客様からの飛沫も防ぐ効果もあります。また、汚染された手で口や鼻の粘膜に触れることを防ぐ効果もあります(鼻を触る癖のある人は特に効果があります)。
〇消毒について
「理容所及び美容所における衛生管理要領」の消毒の項目中で本ウイルスに有効な消毒方法は@煮沸消毒、Aエタノール消毒、B次亜塩素酸ナトリウム消毒です。@は加熱によるコームの変形、Bはシザーズなど金属の腐食やコームの変形が考えられます。
一番有効で簡便なのはAのエタノールによるふき取りだと思います。消毒後はすぐに揮発するので、器具に残らず臭いもありません。また、時々の手指の消毒にも有効です。
貴組合では組合員のため、緊急避難的にエタノール消毒液をある程度確保していると伺っておりますので安心できます。
以上の三点を参考にお客様の安全・安心、また、業界のさらなる衛生水準の向上に努めてくださるようお願いします。
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