理事長 山本 久博

  全国の組合員数は1985年の105,728人をピークに2012年には63,981人と約60%まで減少しています。
  美容業界が成熟産業と云われる水準に達した事による組合員数の減少…と考える方もいますが、実際には技術者一人一人の生産性や所得水準を見る限りでは、まだまだ美容師の仕事が盤石な地位を築いていない事は明白です。むしろ感染症の問題などを考えれば、今こそ組合として取り組まなければならない事が多く待ち受けています。
 現在の美容師の社会的な地位は53年前の組合創立時とは比べ物にならない程向上しました。次の時代にこの仕事を大切に引き継いでいくのは現在の我々の責務でもあります。
  また、組織の為の人数合わせではなく、美容師の社会的な地位をこれからも高めて行く為には全ての美容師が組合に参加して力を合わせる事が必須です。 例は適切ではないかもしれませんが、皆がライバルとなるプロ野球界でさえも選手会が存在して選手の地位を守る為に動いています。一人一人が好きなように仕事がしたいと考える事と、業界全体の地位と名誉を守る事とは別の問題なのです。ぜひ全ての事業者の組合加入を目指して尚一層のご協力をお願いします。
 今年度の事業の柱となる事としては衛生講習の充実があります。数百万人の感染症キャリアが存在する事はこれまで何度も叫ばれた数値です。我々環境衛生に関わる仕事のプロとしてはこれを軽視する訳にはいきません。免許資格の事、管理講習制度、技術講習などは勿論の事ですが、衛生や感染症に関する最新の情報を共有し、それらから消費者の健康と安全を守る事が求められています。これらを合わせて今年度の大きな活動指針に捉えて参ります。
山本久博